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雛人形の歴史 おひな様の発祥から現在の流行まで歴史の流れを探る!

※写真は真多呂人形作 木目込み立ち雛。

いつごろから始まったのか?

雛人形と言えば桃の節句 雛祭りでお飾りするお人形。 日本人であれば誰もが知っているお人形と節句イベントですが、いつからはじまりどのように普及してきたのでしょうか? ひな人形が出来るまでの歴史と起源。 今日のおひな様が出来上がるまでには、想像以上の年月の積み重ねで生まれてきました。

縄文時代~弥生時代そして古墳時代へ

雛祭りのはじまりは、明確な資料が存在しておらずはっきりと始まった時期は確認できませんでした。 しかし1万年以上前の縄文時代には人間(女性)の形を模して作られた土偶(どぐう)に五穀豊穣や病気や怪我などの身代わりであったとされる土製の人形が存在していたようです。 弥生時代になると天児(あまがつ)や這子(ほうこ)と呼ばれる木偶(でく)人形を幼児などの枕元に凶事を移して負わせる為に置いていたようです。いわゆるお守りですね。

古墳時代になるとご存知の方も多い埴輪(はにわ)などが登場していますね。こちらも身代わりになるという意味があるようです。 医療の発達していない時代では、病気や怪我への対処法も少なく祈りや儀式といった行いは特に重要視されていました。 お人形は身代わりとして御守りとしての意味を持つ事になります。

桃の節句の原型は奈良時代だとされている

奈良時代

710年、なんと(710)大きな平城京でお馴染みの奈良時代には禊やお祓いの儀式に、紙や藁などで作られた人形(ひとがた)に災いや罪などを着せて人の身代わりとして川に流し、桃のお酒を飲みながら1年の無事を願う風習が伝わってきたようです。「上巳の祭り」が行われていたようです。これがまさに発展して上巳の節句(桃の節句)として今日まで続いているのです。

平安時代

794年、なくよ(794)鶯(うぐいす)、平安京でお馴染み平安時代になると貴族の間で雛(ひいな)遊びと呼ばれる紙などで作った人形で遊ぶお人形遊びが流行していたようです。

雛祭りへ変わっていくのは安土桃山時代

安土桃山時代

1300年代の室町時代から戦国時代を経て織田信長や豊臣秀吉が活躍した1500年代の安土桃山時代にひいな遊びから雛祭りへ変わったとされています。3月の上旬の巳の日に桃の節句で雛祭りを行うようになったといわれています。

座り雛や立雛、十二単の登場

江戸時代

1600年代、徳川家康が天下泰平の世を作り、平和な世の中となると男雛、女雛の一対を飾る立雛が作られました、その後座り雛へと変わり進化していきます。 現在のお雛様に通じる十二単などもこの頃から作られ宮中の雅な装束を再現し楽しまれていました。五人囃子や官女などや嫁入り道具なども江戸時代に登場しています。 江戸時代後期には、現代に見られる雛人形が既に確立されたと言えるでしょう。

時は流れて現在の形に

明治・大正・昭和

明治時代になると大型で豪華になり、家の権勢を示すような派手な雛人形が多く作られていきました。 大正時代になるとお雛様と道具などが一式で揃えられたものが出回るようになり小型なものや御殿飾りなどのセットが流行していきました。 昭和になると、一度は目にしたことがある15人飾りや七段飾りなどが流行し、赤い毛せんにお雛様、官女、五人囃子、随身、仕丁や嫁入り道具揃えなどが飾られていきました。 昭和後期では特に十五人飾りが流行しており、日本経済のバブル時代を反映する一つの象徴とも言えますね。

今日ではコンパクトに

平成

昭和中期~後期に飾られていた十五人タイプの七段飾りは住宅事情・経済事情により数が見られなくなりました。 平成に入ると家族構成や家庭環境、住宅事情などを考慮し、飾り台に収納スペースが設けられたコンパクトな収納飾りや、2人だけの親王飾り、ガラスやアクリルといったケース飾りなどが人気となります。 雛人形と言えば大きなお飾りが多く、どうしてもお飾りする為には広いスペースが必要でしたが、技術力の向上などもあり、小さな頭(かしら)に目をはめ込んだ、手の平サイズに収まる可愛らしい木目込み雛人形も作られるようになってきました。

歴史を辿ると、様々なお人形が時代にあった形態を形成していた事がわかります。 歴史と文化の積み重ねを大切にしながらも、時代ごとの文化を象徴する変化がとても面白いですね。 これからのお人形がどのように進化するのかはわかりませんが、現代のニーズは小さく可愛くお飾りできる雛人形が一番の人気です。 次の時代にはどのような雛人形が登場していくのか楽しみですね。

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