破魔弓や羽子板をなぜ飾る? 初正月の疑問についてお答えします!
2022.09.15
みなさん、こんにちは。ぷりふあ人形の來海(きまち)です。
まだまだ暑い日もありますが、少し秋の気配も感じられるようになってきましたね。
突然ですが、お子様を出産してから最初の一年は【初○○】という行事が多いですよね。初宮参り、お食い初め、初節句、初誕生…。お子様にとっては全てが【初】ですから当然かもしれません。
そんな中でも、女の子にはお雛様、男の子には五月人形を贈る「初節句」は有名ですよね。
ただ、そのほかにも言葉としては今はあまり浸透していないかもしれませんが、お子様の誕生を祝う行事としてもう一つ「初○○」があるんです。
それがタイトルにもある【初正月】です。
今回は、その初正月にまつわる疑問についてお答えしたいと思います。
初正月ってなに
初正月とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月のことを指します。
今は生まれたその日から丸一年で1歳の誕生日を迎える満年齢で数えますが、ひと昔前までは「数え年」で歳を数えていました。初めて迎える正月=赤ちゃんが初めて歳をとる日(2歳)の御祝いだったのです。
数え年とは・・・
生まれた時を1歳とし、それ以降は新年の元旦になるたびに1歳ずつ増えていく数え方。
(例)11月25日生まれの赤ちゃん、2カ月後の正月では「数え年2歳」となる。
初正月には何をするの?
お食い初めなどのように特別なことをするわけではありませんが、お正月自体が一年の中でも特別な日です。
今はコロナ禍でなかなか叶いませんが、本来であれば親戚が集まりやすい日です。初めて親戚に赤ちゃんの顔を見せてあげられる機会ではないでしょうか。
古来より初正月は、「赤ちゃんが無事に育ってくれたというお祝い」と「これからも健康に育ってくれますように」という願いを込めた行事でもありました。
初正月には、男の子の場合【破魔弓:はまゆみ】、女の子の場合【羽子板】を飾り、赤ちゃんの無病息災を願う習わしが今でも続いているのです。
破魔弓(はまゆみ)
男の子に贈る初正月の御祝いで代表的なものが「破魔弓」です。
(厳密には「破魔弓」「破魔矢」と呼び方が分かれていますが、近年ではセットになったものを総称して【破魔弓】と呼ぶことが一般的です。)
破魔弓の由来
古くは室町時代のころから破魔弓の風習が存在しているそうです。
矢が風を切る音、弓の弦が鳴る音などは鬼が嫌うと言われ、邪気を払う特別な力が備わっていると信じられていました。
古来より儀式では神聖な役割を担い、武士の時代には雄々しさの象徴であった破魔弓は、誕生した男の子の「健やかな成長のお守り」の意味を持ち、お正月の魔除けとしても現代までその伝統が続いています。
「誰が贈る」に決まりはある?
昔は妻の実家から贈るという慣習がありました。
これは地域によっても違いがあるようです。
しかし現代では、赤ちゃんの親が自分たちで購入したり、費用のみ祖父母に負担してもらったり、両家で折半したりと多様化しています。
贈る時期・飾る時期・しまう時期
以前は季節の飾りを一年中飾りっぱなしにするのはよくないとされていました。
しかしながら破魔弓は縁起物ですので一年中飾る「年中飾り」ができます。
五月人形と飾ることも一般的になってきているようです。
季節飾りとした場合は、下図のように12月13日の正月事始め以降に出し1月15日の小正月でしまう、また端午の節句まで飾る場合は、5月中旬頃でしまうのがよいでしょう。
※12月29日(二重苦)、31日(一夜飾り)に飾るのは縁起が悪いと言われています。
羽子板(はごいた)
女の子に贈る初正月の御祝いで代表的なものが「羽子板」です。
現代では、インテリアになじむスタイリッシュな羽子板も人気です。
羽子板の由来
●羽根は「胡鬼子(こぎこ)」と呼ばれていて、古代中国ではトンボを指します。トンボは感染症の媒体となる蚊を食べてくれることから、無病息災の願いが込められていました。
●羽根の先についている黒い玉は「無患子(むくろじ)」という大木の種を表しているのですが、漢字のとおり「子が患うことが無い」という、こちらも無病息災の願いが込められています。
「誰が贈る」に決まりはある?
破魔弓と同じで、羽子板も昔は妻の実家から贈るという慣習がありました。
これは地域によっても違いがあるようです。
現代ではさらに多様化していますので、両家で相談して決めるのがいいかもしれませんね。
贈る時期・飾る時期・しまう時期
以前は時期のものを一年中飾りっぱなしにするのはよくないとされていました。
しかしながら羽子板も縁起物ですのでスペースに問題がなければ年中飾りでも問題ありません。
3月にはお雛様がありますので、そのまま飾っておいて一緒に飾ってあげるとより一層華やぐことでしょう。
季節飾りとした場合は、下図のように12月13日の正月事始め以降に出し1月15日の小正月にしまう、またひな祭りまで飾る場合は、3月中旬頃でしまうのがよいでしょう。
※12月29日(二重苦)、31日(一夜飾り)に飾るのは縁起が悪いと言われています。
羽子板・破魔弓は何歳まで飾るの?
子供が成長した後の羽子板・破魔弓は何歳まで飾るものなのでしょうか。
これには下記のようにいろいろな考え方があるようです。
📌昔の風習では「立志式」の年齢(数え年で15歳)まで飾るという考えがあった。
📌「子供が無事成長するまでのお守り」として成人するまでの間は飾る傾向もある。
📌成人した後でも縁起物のインテリアとして飾り続ける方もいる。
・・・というように、特に決まりはありません。
昔ながらの風習やしきたりへの考え方は地域や家庭によって違いますので、自由に飾ってよいと思います。
人気商品につき・・・
当店の破魔弓・羽子板は、省スペースで飾っていただけ、またインテリアにもなじむ商品のため、毎年とても人気です。昨シーズンも12月上旬には完売となりました。
「年中飾りができる」と言えども、やはり破魔弓・羽子板はお正月の季節商品です。
そのため大変心苦しいのですが、完売となった場合、シーズン中の再入荷はございません。
今シーズンは破魔弓・羽子板も10月末ごろから販売開始となる予定です。
「これは!」と思う破魔弓・羽子板がございましたらお早めにご検討いただくことをおすすめします!
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