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五人囃子とは

五人囃子(ごにんばやし)

五人囃子とは?

五人囃子は雛人形です。 楽器や歌を演じる五人一組の人形のことです。

最近の雛人形は、お内裏様とお雛様(正確にいうと男雛と女雛)二人だけのものや、三人官女を付けた五人飾りが多いのですが、五人囃子が加わることで楽しくてにぎやかに、そしてお祭りらしい華やかな雰囲気になります。

五人囃子とは一体何をする人?

五人囃子は、楽器や歌を演奏する人です。  結婚式をお祝いするお囃子(はやし)を奏でています。

お囃子(はやし)とは何でしょうか?

ところでお囃子とは何でしょうか。 お囃子とは日本音楽の用語です。  映えるようにする、ひきたてるという意味の〈はやす〉からきています。 能や狂言、歌舞伎、寄席演芸などの音楽をさします。 お囃子とは、謡や中心となる音楽や演技に添える楽器主体の演奏、またはその演奏者をいいます。 お雛様の時代の音楽は、現代のリズムや歌詞があるものと、かなり違うものといえるでしょう。

五人囃子が演奏していた音楽は?

おめでたい席で五人が演奏していた音楽は、能楽です。

五人の持ち物を見てみましょう。

向かって右側から、扇子、横笛、鼓(つづみ)、鼓(つづみ)、太鼓を持っています。 中央の鼓は肩に乗せています。 左から二番目の鼓は体の正面に持っています。 太鼓は台に載せ、奏者はバチを持っています。

五人の担当の楽器は何でしょうか?

一番右にいるのは謡です。 扇子を持っていますが、役割としては歌手です。 右から二番目は横笛で、メロディを奏でます。 真ん中の奏者は鼓を肩に乗せています。 これは小鼓(こつづみ)です。 右から四番目の鼓は体の前にあります。 こちらは大鼓(おおかわ)といいます。 一番左は太鼓(たいこ)です。

左端の太鼓が一番大きいです。 左から、楽器が大きい順番に並んでいます。 これは覚えておくと飾り付けをするとき便利ですね。

小鼓(こつづみ)と大鼓(おおかわ)はどこが違うのでしょうか。 大きさが違います。 構造は同じなのですが、演奏方法などで違いが出るのです。 この二つは片方だけで演奏されることはなく、必ず揃って演奏されます。

五人の着こなしに違いがあることにお気づきでしょうか?

五人囃子の着衣はお揃いのものですが、着こなしに違いがあるのにお気づきでしょうか?お揃いの衣装を着ていますが、向かって左の三人は上着を脱いでいます。 体を動かして演奏するので、脱いだほうが演奏しやすいのでしょうね。

五人囃子は何歳くらいなのでしょうか?

男雛と女雛の結婚式を楽曲で祝う五人囃子ですが、どれくらいの年齢だったかご存知でしょうか。 お雛様の人形の中でも、若々しく、いきいきとした印象がある彼らです。 髪の毛は結んでいません。 おかっぱです。 侍烏帽子(さむらいえぼし)をかぶっています。 これは、その当時の元服前の少年という印なのです。 11歳~16歳くらいでしょうか。 少年楽団員ですね。

五人囃子でなく五楽人を扱う雛人形もあります

お囃子でなく楽人(がくにん)をセットにしている雛人形もあります。 五人囃子は元服前の少年による楽曲演奏チームですが、五楽人は元服後の成人男子の姿をしています。

演奏する曲も違いがあります。 五人囃子は能楽を演奏しますが、五楽人が演奏するのは雅楽です。

雅楽とはどのような音楽でしょうか。 これは世界最古のオーケストラといわれる日本の伝統的な音楽の一つで、歌や舞を伴う器楽合奏曲です。

五楽人が扱う楽器

五楽人が演奏する楽器は五人囃子とは違います。

向かって左から、横笛(よこぶえ)、縦笛(たてぶえ)、火焔太鼓(かえんだいこ)、笙(しょう)、羯鼓(かっこ)です。  真ん中に、炎を象った火焔太鼓があります。 五人囃子の真ん中は肩に乗せる小鼓です。この場所に火炎太鼓があると印象もずいぶん変わって迫力のあるものになります。

七楽人の場合

五楽人について説明しましたが、七楽人というお人形もあります。 こちらも、五人囃子と同様に雅楽を演奏します。 七楽人が扱う楽器について見ていきましょう。

向かって左から、「琴(こと)」「横笛(よこぶえ)」「縦笛(たてぶえ)」「火焔太鼓(かえんだいこ)」「笙(しょう)」「琵琶(びわ)」「羯鼓(かっこ)」です。

羯鼓(かっこ)という楽器が全く想像できませんが、これは、鼓の一種です。 雅楽で使われる打楽器のことです。 それぞれの楽器の音色が違うので、合奏すると迫力のある美しい曲だっただろう、と想像できますね。

まとめ 五人囃子

五人囃子についてお話させていただきました。

お雛様は大切なお子様の幸せを願う気持ちを形にしたものです。 見て楽しむだけでなく、背景を知るのも、なかなか楽しいことだと思います。 桃の節句に飾りつけるお雛様が、長い歴史を背負っており、現代の私たちもその伝統を受け継いでいると思うと感慨深いものがあります。 個人的な意見ですが、私は五人囃子が大好きです。

text/木村

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