立雛タイプの雛人形はお雛様のルーツ?座雛と立ち雛の違いと成り立ち
はじまりの雛人形
お雛様と言って思い浮かべるのは赤い毛せんの飾り台に男雛、女雛が座っているお雛様だと思うのですが、歴史を振り返ってみるとその始まりは座らず立っている姿の「立雛」だったんです。 今主流のお雛様は立ち雛に対して「座り雛」と言いますが、お人形の歴史を受け継いだ現在の立雛はどんな感じなのでしょうか? 歴史的背景から現在までをちょっと調べてみました。
全ての雛人形の始まりが立雛
立雛飾りが雛人形のルーツ
最初に誕生したお雛人形は、立った形のお人形でした。「人形(ひとかた)・形代(かたしろ)」から派生し、人の形をした紙に神霊の代わりに据え、災いなどを移し川に流す、流し雛などがお雛人形のルーツと言われています。 源氏物語の須磨の巻に三月上巳(じようし)の日に陰陽師を召して祓を行いその人形(ひとがた)を船に乗せ、流したというシーンが書かれています。紫式部が書いた源氏物語は西暦1008年(平安時代の中頃)のですからおおよそ1000年以上前になります。 1000年も前からお雛様のルーツがあったとはやはり雛人形の歴史は長く、脈々と受け継がれてきたんだなと改めて感じますね。
お雛様の登場から確立するまで、そして普及した今までの時代を考えますと立っているお人形の方が長い時代の主流だった立ち雛ですが、近年見られる立ち雛をじっくり観察してみますと、飾り方の違いの特徴として座り雛と立ち雛を比べる事で、立ち雛のお人形の方が総じてよりシンプルのお飾りが多いことに気がつきます。 シンプルなお飾りは古くは人形や形代といった古き時代のお人形を反映しているとも取れますね。 この為、歴史やルーツを大切にする方など、お飾りする一般家庭の方は勿論、お人形を作る職人の方などにも一定以上の愛好者がいらっしゃるのが立ち雛です。
現代の住宅事情にマッチ? 立雛飾りも人気上昇中!
江戸時代初期には立雛も多く存在していましたが、江戸時代中期から明治、大正、昭和、平成と時代が流れると座り雛が中心となり七段飾りや、親王飾りが多くみられるようになりました。 しかし最近立っている姿の立雛が近年また注目を浴び始めているんです。何故なんでしょうか?
人気上昇中の理由
歴史的に古く格式高いお雛様である事はもちろんですが、親王(二人)飾りなのでシンプルに様々な場所に飾る事が出来る。 雪洞や桜橘や道具なども飾らない場合が多く飾りつけが簡単である。 部品がすくないのでコンパクトにまとまる。 選ばれる理由がなんとなくわかりますよね。 小さくコンパクトなお飾りが流行っている昨今のひな人形事情には立ち雛飾りと相性が良いのです。
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お雛様をお飾りする期間は1年の中では短いですが、飾りつけや片付けをする手間や時間を考えると中々大変なご家庭もあると思います。 男雛・女雛だけの親王飾りなら兎も角、三段飾りなどの規模がでかいお飾りですと尚更ですから、飾りつけ・片付けを気にされているかたであれば、シンプルなお飾りの立雛飾りは、より気持ちよくお飾りできるかもしれませんね。
衣裳着や木目込み
衣裳着の立雛は、天皇家の御成婚や御即位式などに御着用される黄櫨染の束帯が再現されたり、歴史的に格式が高い飾り方が好まれています。 流れるような衣裳のラインは立雛ならではですし人気が集まるのもよくわかります。 木目込み人形では真多呂人形でも東宮雛や古今人形として歴史を感じるお雛様が販売されています。 真多呂人形の立雛などは、格式高いお人形を選ばれる方には特に人気のあるお人形ですね。
初節句には厳禁なのか?
誰が言ったかわかりませんが立雛は初節句お祝いに送る事が良くないのでは?という噂を聞く事があります。 しかし、上記で書いたように歴史的背景を考えればもちろん全く問題無く、むしろルーツとも言える立雛はもともとは盛んに飾られていたようです。 平安時代のひいな遊びも原型となっており、宮廷内でも女性たちが着物や衣裳の端切れなどで雛を手づくりし始めたのも立雛だったようです。 現在の座り雛が主流となったのは江戸時代中期から後期にかけてと言われており比較的新しい雛人形と考えられます。 噂は噂でしかございませんので、立雛飾りに限らず気に入ったお雛様を初節句飾りとしてお飾りするのがオススメです!
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