TOP > 豆知識 > 端午の節句 > 鯉のぼりが表しているものは?どんな素材でできているの?

鯉のぼりが表しているものは?どんな素材でできているの?

吹流しはお家、鯉は家族

鯉が竜門の滝を登り竜となって天を翔けるという中国の故事から派生した鯉のぼり。晴れ渡る空に舞い上がる鯉を見て春の訪れを実感したりしますね。日本には、5月5日の端午の節句に向けて、お庭などに鯉のぼりを掲揚する風習があります。男の子が生まれたご家庭ではお子さまのために鯉のぼりの購入を考えていらっしゃる方も多いでしょう。鯉のぼりを購入する際には、デザインやサイズはもちろん、鯉の色や素材に関しても気になるところではないでしょうか。ここでは、鯉のぼりが表しているもの、鯉のぼりはどんな素材でできるかについてご紹介していきます。

まずは鯉のぼりが表しているものについて。鯉のぼりは一番上でカラフルな吹流しが靡き、その下に鯉が並んでいますね。吹流しを「家」に見立て、鯉は「家族」を表しているといわれています。

吹流しに込められた意味

一般的な吹流しは、中国の五行思想を取り入れた5色の組み合わせになっています。青=木、赤=火、黄=土、白=金、黒=水とそれぞれの色には意味があり、木・火・土・金・水の五つの要素によって万物は成すとされています。そして、五つの要素がお互いに影響を与えあって循環することで万物によって守られる。つまり吹流しには魔除けの意味があるのです。そのほかにも現代では、5色であっても色の組み合わせが異なるものや鯉のデザインに合わせたもの、お子さまの名前や家紋を入れるスペースが設けられたものなどさまざまなデザインがありますね。脇役的な存在として捉えられているかもしれませんが、ぜひ吹流しも気にかけてみてください。

鯉の色が表しているもの

一方、家族を表している鯉は、黒鯉がお父さん、赤鯉がお母さん、青鯉がこどもと、こちらも色によって役割が決まっています。基本の鯉のぼりの数はこの3匹・3色ですが、次男が産まれたため鯉を追加したいという場合には、4匹目に緑色の鯉をもってくることが多いです。さらに最近は、鯉が家族を表しているなら姉や妹の分の鯉も一緒に飾りたいという声もあり、ピンク色の鯉など女の子らしい色合いのものも増えています。

鯉のぼりに使用される素材

つづいて鯉のぼりはどんな素材でできているかについてお伝えします。色やデザインと異なりその違いが分かりづらいところではありますが、注目したい部分でもあると思います。鯉のぼりの素材としては、ポリエステル生地とナイロン生地が主流となっています。両者を比較しながら違いをみていきましょう。

耐用年数について

まず耐用年数について。屋外に掲揚する鯉のぼりはどうしても紫外線や雨など影響を受けてしまい、それが生地の劣化や色落ちに繋がります。ポリエステル生地の鯉のぼりは、通常5~8年ほど色褪せせずに揚げることができます。一方ナイロン生地の場合は、2~3年ほどで色褪せが始まるといわれています。こちらは使用状況や周囲の環境等によっても変わりますので、あくまで目安としてください。

少しでも長く綺麗な状態で鯉のぼりを揚げたいという方は、丁寧なお手入れを心掛けることが大切です。夜や強風、雨の日など鯉のぼりが揚げないときには屋内に鯉を仕舞ってください。雨などで濡れてしまっていたら、色移りを防ぐために鯉同士が重なり合わないように乾かしてから揚げるなどしましょう。また、節句の季節が終わって鯉のぼりをしまう際には、風通しの良い場所でよく乾かしてから袋に入れてください。

こちらの記事で鯉のぼりのしまい方についてのポイントを紹介しています。合わせてご覧ください。

鯉のぼり・五月人形のしまい方が知りたい!綺麗な状態を保つ秘訣とは(リンク)

価格、質感やデザインの傾向について

ポリエステル生地を使用した鯉のぼりと比べ、ナイロン生地の方が安価なものが多いです。先ほどご説明した耐用年数からも分かるように、ナイロン生地は比較的安価な反面、ポリエステル生地のものよりも早くに劣化しやすくなっています。

質感やデザインの傾向について。ポリエステルもナイロンもどちらも軽い素材のため、なめらかに泳ぎます。ポリエステル生地は光沢感があり、デザインは豪華なものが多く高級感があります。ジャガード織りやドビー織りなどを生地に施しているものもあり、質感でもお楽しみいただけるでしょう。一方ナイロン生地はさらっとした質感で、シンプルなデザイン、はっきりとした色合いのものが多いです。

撥水加工について

ポリエステル生地の鯉のぼりの中には撥水加工を施しているものがあります。撥水加工は雨弾きの性能はもちろんのこと、金箔箇所の劣化や酸性雨などによる生地劣化を防ぐなど、耐久性能の向上にも寄与します。さらに、汚れなどが付着しても落としやすく、お手入れもしやすいです。価格は撥水加工していないものと比較すると高くなる傾向にありますが、長い間綺麗な鯉のぼりを掲揚したいという方にとってはおすすめです。

ちなみにPreferオンラインショップで展開している当店プロデュースのオリジナル鯉のぼり『ASTRO-星空-』シリーズ、『彩光-SIRIUS-』、『神鳴-KAMUI-』、『焔帝-PHOENIX-』は、素材に撥水加工を施したポリエステル生地を使用しています。

その他の素材について

ポリエステルやナイロン以外には、綿を使用したものがあります。昔は綿のものが主流だったそうです。マットな質感が落ち着いた風合いで、昔ながらのぬくもりを感じられます。高級品となった今では珍しい素材といえます。また、室内に飾る鯉のぼりにはちりめん素材を使用したものや、木製のものがあったりしますね。

鯉のぼりの購入をご検討される際には、デザインやサイズ感はもちろん重要です。しかしそれらと同じように、飾る場所や想定される使用状況に適した素材選びも大切だと思います。お子さまにとって一生に一度の大切なものなので、ご購入の前にご家族でよく話し合ってみてはいかがでしょうか。また、鯉のぼりが表しているものについて考えながらご覧いただくと、今までとはまた違った見え方ができるのかもしれませんね。

記事を共有する

関連記事

【ケース飾り】おひな様や五月人形を美しく保つ、アクリルケースやガラスケースの正しいお手入れ方法

【来年はどうする?】五月人形は何歳まで飾るのか?処分方法についても解説!

弓太刀や鯉のぼりは買うべき?必要ない?五月人形の脇飾りについて

人気記事

豆知識カテゴリー